伝統技法
三川内焼には形成や染付など、さまざまな伝統的な技法が存在します。五光窯ではそれらの技法を使いながら制作しています。
古平戸
古平戸とは、三川内皿山が平戸藩御用窯であった時代に焼かれた磁器のことです。
江戸時代には、藩主の命により幕府や朝廷への献上品を造り、繊細な染付や卓越した細工の技術を誇りまし
た。
その忘れかけられた技術を探求いたしました。令和の今、御用窯の技術を受け継いで作品を造り続けていま
す。
古平戸 置上 ななかまど紋 花器
古平戸に代表される技法の一つは、置き上げ(浮きあげ)技法と呼ばれる三川内に伝わる技で、紋様が浮き彫りになっています。ヨーロッパにおいては「天使の技法」と謳われた技です
明治期の工業デザイナー納富介次郎は、置き上げ技法の事を「セーブル」「ミントン」に先んじており「三川内ヲ以テ先鞭トセザルベカラズ」と述べています。
官窯温潤手
明時代宣徳帝の治世に、最高峰と称えられる磁器が官窯で造り出されました。
磁胎は潔白で玉のようにきめ細かく、釉質は温潤で、絵付けも格調高く、優雅な雰囲気を漂わせています。
三川内焼の技術で、官窯最高峰の染付、釉裏紅、紅釉の技に挑みました。温潤(おんじゅん)と称される質
感は、写真では表現できません。
辰砂
辰砂・釉裏紅とは、発色に銅を用いた窯変技法です。