五光窯について
五光窯は陶芸家「十三代 平戸藤祥 藤本岳英」と陶画家「藤本 江里子」のアトリエです。卵殻手、唐子絵、結晶などの三川内焼作品および一般的な食器製品を製作しています。
平戸藤祥について
陶号 平戸藤祥は、1637年(寛永14年)初代当主の藤本治左衛門が平戸松浦藩御用窯である官窯三川内窯創設のおりに窯方五家の一人として 拝命参加した時に始まります。 その後、平戸オランダ商館から長崎の出島にオランダ貿易の拠点が移されると天保年間(1830~)に藩主より「陶閲館」の屋号と看板を拝領し、「大日本藤本造」の銘でヨーロッパへ輸出するようになり、平戸藤祥窯も黄金期を迎えました。 現在の十三代目は平戸三川内焼の伝統を継承し、「卵殻手」など新たな作品を創造する作家として活動しています。
三川内焼について
三川内焼は江戸時代後期、(1750~1830)に、超絶技巧の磁器として高く評価されていました。染付、赤絵、置きあげ、彫、ひねりもの等、何一つとして後れをとる技術はなく、とりわけ磁器の土への造詣は、他産地の追随を許しませんでした。 その土から生まれた「卵殻手」(egg shell)は、世界の旅行作家の日記にも「長崎の名物」として鼈甲(べっこう)とともに紹介されています。現代では、染付唐子の産地として有名ですが、藩窯当時は西洋向けの輸出に力を入れていたので、むしろ赤絵(有田風ではなく西洋絵具を用いた作品)の金襴手二度焼きに代表される技法などが発展しています。(明治初期の有田香蘭社の金襴二度焼きは、殆ど三川内の森利喜松氏の手によるものです) またデコラティブな造詣は西洋で高い評価を受け、明治政府の重鎮、納富介次郎も三川内の「置き上げ技法」を「セーブルやミントンより先鞭とす」と述べています。三川内が「染付・唐子のみの産地ではないということを知っていただけると幸いです。
展示場
〒859-3155 長崎県佐世保市三川内町710 Tel:0956-30-8641